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MAISON&OBJET 2013 毎年、1月と9月にパリで開かれる「MAISON&OBJET」。ヨーロッパ第二といわれるインテリア展示会に、初潜入。 パリ視察。 インテリア・デコの最前線へ。1.巨大会場に広がる、デコ、デコ、デコ!パリに到着した日から、まさかの大雪、大吹雪。凍える足でパリを移動し、郊外のノール見本市場へ。はじめての「MAISON&OBJET」は理屈抜きに楽しく、驚きと発見に満ちていました。ミラノサローネが「デザインのお祭り」なら、メゾンオブジェは「インテリアデコレーションのお祭り」。1,2,3,4,5a,5b,6,7,8a,8b…と巨大ホールを埋め尽くす展示ブースの数。疲れ知らずに歩いた、わたしの2日間のレポートをどうぞ。 -
ダルトーンの中に、ほどよく木目や木を取り入れる。いわゆる「工業系」といわれる照明をいくつも連ねて。色や明度の差を出さない、穏やかなコーディネート。今回の視察の目的のひとつは、インテリアデコレーションの潮流を見ることでした。新しい流れがあるのか?ヨーロッパの動向はどうなっているのか?……わたしが感じた答えは、「現状が続きそうかな」、でした。ここ数年、インテリア誌や新しいショップでダルトーンのコーディネートがよく見られます。青や緑にグレーを混ぜた渋い壁、グレーっぽい色調の家具に、粗材の木や鋼材といった素材を組み合わる。シックで穏やかな中にざらりとした雰囲気を出す。そんなコーディネートの流行が続いています。今の時代はパソコンやスマートフォンの画面から、いつもぎらぎら賑やかなものを見るからでしょうか、部屋には穏やかな色調や手触りのあるもの、どっしりとしたモノ、古いモノを求めているような気がします。今回「MAISON&OBJET」の展示でも、パステル色の提案など、新しい動きもありましたが、全体的にはダルトーンの流れが強く、まだ続きそうだなという印象でした。2. ダルトーン+粗材、鋼材…新しい流れは?
ホール8、パトリシア・ウルキオアの作品。色や素材に目を見張る新しさを持たせながらも、決して奇をてらったように見せず、生活に馴染みそうな雰囲気を醸し出す。これが彼女のデザインの魅力です。マジックと行ってもいい。この夢と現実のバランスの良さこそ、彼女が世界中のブランドから引っ張りだこである所以だと感じました。今回、私がとくに魅力・再発見だったのがクラシックスタイルのブランドです。ホール1は、「ETHNIC CHIC」がテーマで、その関連ブースだけで大きな会場が埋まるほどの数です。各ブランドは正式なアンティークだけではなく、レプリカも多く扱っています。そこが面白い。過去のスタイルを踏襲しながらも、現代の生活で取り入れやすい価格で、モダンなコーディネートに仕上げています。欧州のクラッシックブランドの数とレベルに圧倒されつつ、現代に合うアレンジ、そのさじ加減の巧さに感心しきりでした。ホール8のテーマは「NOW-DESIGN-A- VIVRE」。デザイン性の強いブランドが並びます。各ブランドとも、最新のものは4月のサローネで発表かなという感じでしたが、個人的には「デザインとは何ぞや」という最近のもやもやした疑問が払拭される、充実した内容でした。デザインは健在だ、と無性に嬉しくなりました。3. ホール8・デザインは健在だった現代的な感覚で、レプリカを扱うブランドも多い。ホール1では、正式なクラシックスタイルのブースも 充実しています。
5.日本にあるもの、日本にないもの。ヨーロッパにあって、日本にないもの。その一つが「天井の高さ」です。今回あらためて、この天井高がコーディネートの力を養う原動だなぁと思いました。ブースのほとんどは3mほど高さがあり、ちまちまと商品を展示したのでは見映えしません。大きな空間を持てあまさないために、天井からの照明でどう空間を埋めるか、壁面をどう使うと効果的か、テキスタイルはどう見せるのがきれいか、小さいアイテムはどう置くのがいいか……各所に知恵や計算が見受けられました。高さの感覚が日本よりも大きい分、空間構成の発想もダイナミックになっていくのでしょう。コーディネートのうまさの裏にある、日欧の違いをしみじみと感じたのでした。各ホールに設けられたカフェも嗜好をこらしています。造花を扱うブランド。うっとりするような展示構成でした。あるブランドのブース側面。細部まで手抜かり、なし。小さなテーブルウェアは、大胆に見せる工夫をして。どこの展示会でもそうですが、各ホールもメインから離れると「何だこりゃ?」的なブースが出てきます。「MAISON&OBJET」でも2mくらい6.あらためて思う、層の厚さ。幅の広さ。のクマが自動で動くぬいぐるみとか、金ピカに彩られたガーデン用品とか、誰が買うんだろうといったブースも見かけました。しかし、そんなところも含めて、とにかく層が厚く、幅が広い、と感じた今回の視察でした。マレ地区の小さなお店がベルギーの人気ブランド『serax』の隣にブースを出していたり、とびきりおしゃれなマダムが商談していたり。切り取った写真だけではわからないことも、たくさん肌で感じました。展示方法の小粋さ、色合わせの巧さ、洗練されたコーディネート……すっかりヨーロッパの歴史とインテリアデコレーションの分厚さにあてられ、ぽわーんと夢見心地のような、きりっと目が覚めるような、そんな思いで過ごした2日間でした。  「MAISON&OBJET」は、2014年、初めてのアジア開催が、シンガポールで行われるそうです。アジアでどんな「インテリアデコレーションのお祭り」が開かれるのか、機会があればぜひ自分の目で確かめてみたいと思います。何気におしゃれさんな女性。水玉のコートにスカート、 そしてカバンの色。こんな人が会場にわんさか居ます。家具メーカーは意外に数が少ない印象でした。「ホール6」だけでもこの広さ。これが8つ続きます。


2013.02.07 1月20日から行ってきたパリの「MAISON&OBJET」。冬のヨーロッパは寒かったけど、楽しかったぁぁぁ。  川上ユキ


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